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Povinec, P. P.*; Livingston, H. D.*; 島 茂樹*; 青山 道夫*; Gastaud, J.*; Goroncy, I.*; 広瀬 勝己*; Huynh-Ngoc, L.*; 池内 嘉宏*; 伊藤 集通; et al.
Deep Sea Research Part 2: Topical Studies in Oceanography, 50(17-21), p.2607 - 2637, 2003/09
被引用回数:100 パーセンタイル:89.14(Oceanography)国際協力による調査航海"IAEA'97"が1997年に北西太平洋で行われた。本調査で得られた主な結果は以下のように要約される。(1)観測された現在の海洋学的パラメータのレベルは、歴史的なデータセットとの間に差を示した。(2)海洋中の超ウラン元素濃度の鉛直プロファイルでは、典型的な亜表面極大が観測された。しかしながら、歴史的なデータに比べ、その極大濃度は約1/4に減少しており、出現深度も2倍程度に深くなっていた。そして、この24年間で海水中のインベントリが約20%減少していることがわかった。また、(3)Sr及びCsデータより、観測された濃度プロファイルの時間変化は地域的な水塊循環の結果生じていることがわかった。さらに、(4)北西太平洋に対する主な流入があってから40年も経った現在においてすら表層海水の放射性核種濃度には緯度依存性が見られている。本研究の結果は、これらの放射性核種の海水中での挙動及び過去24年の水塊循環の物理的に駆動力に関する示唆をともなって北西太平洋における放射性核種の分布に関する最も包括的な最近の成果をしめしている。
中野 政尚; Povinec, P. P.*
Deep Sea Research Part 2: Topical Studies in Oceanography, 50(17-21), p.2803 - 2816, 2003/00
被引用回数:30 パーセンタイル:50.53(Oceanography)広域海洋における移流拡散モデルを作成した。検証のために大気圏核実験によるCs-137降下量を入力し、数十年間の移流拡散を計算した。種々の水平・鉛直拡散係数で計算し、1960年代から1990年代にかけて152地点で観測された海水中Cs-137鉛直分布の実測値と比較したところ、水平拡散係数は1.310㎝2/S、鉛直拡散係数は0.3㎝2/S最も現実に合う計算結果が得られた。本拡散モデルは放射性物質のみならず、沈降しない他の汚染物質にも応用できると考えられる。